チョコレートの歴史を巡る旅(2) バスク地方 ビアリッツの「チョコレート博物館」

 

 

ビアリッツ Biarritz 

 

ビアリッツは、フランスの南西部、スペインと国境を接するバスク地方(フレンチバスク)にある高級リゾート地です。

 

この海岸沿いにある美しい街は、19世紀にナポレオン三世が、王妃ウージェニーのために豪華な別荘を建てたころから王族やセレブの集まる街となりました。

現在、この王妃の別荘(上の写真)は「オテル・デュ・パレ Hôtel du Palais 」という5つ星の豪華ホテルとなっています。

 

 

 

 

それでは、なぜこの「バスク地方」はチョコレートの歴史にとって重要な地域とされているのでしょうか? 

 

その謎を解くカギは、チョコレートの歴史を巡る旅(1)で少しお話しましたが、16世紀コルテスによって中米からカカオ豆がスペインに伝えられてからの100年間にあります。


 

当初、スペイン王家はチョコレートドリンクをスペインから門外不出としました。

100年あまりチョコレートドリンクはスペイン上流社会の独占的な嗜好品とされ、1615年スペインハプスブルク家のアナ・マリア王女がフランスブルボン家のルイ13世に嫁ぎ、1660年マリー・テレーズ王女がルイ14世に嫁いだことにより、初めてチョコレートドリンクの製法がフランスに伝わったとされています。

 

しかし、実際にはそれ以前に、この魅惑的な飲み物はいくつかのルートを経て他の国に漏れていました。

 

そのひとつが、この「バスクルート

実は、ビアリッツから7〜8キロ内陸に入ったアルドゥール川沿いの街バイヨンヌに、16世紀後半、スペインで迫害されたユダヤ人が多く移り住みました。

そのユダヤ人たちの伝えた技術により、すでにバスク地方ではチョコレートの生産が始まっていたのです。

 

 

 

 

さて、ここはバスク地方ビアリッツにある

チョコレート博物館 Planète Musée du Chocolat 」

 

 

チョコレート博物館 Planète Musée du Chocolat 」は、ビアリッツの中心部から南西に1キロくらい歩いた静かな場所にあります。

 

中に入ると、すぐ左側に小さなセミナー室があり、そこで「チョコレートの歴史」に関するビデオを見た後、展示物を見ながら職員の方から解説を聞くことができます。

 



 

ロースターなど様々な展示物

 

 

メタテやマノ、カカオ豆をすりつぶす機械、チョコレートを流す型、チョコレートドリンクを作るためのポット、美しい装飾のカップ、チョコレートの歴史にまつわる印刷物など、興味深い品々が展示されています。

 

最後に美味しいホットチョコレートをいただいてほっこり。

また、ミュージアムショップでは、チョコレートに関する書籍、パンフレット、カカオ豆、チョコレートなどが販売されているので、ちょっとしたお土産になります。

 

 

 

 

最後に、ビアリッツの美味しいお菓子屋さんを1軒ご紹介します。

 

ミルモン Miremont 

 

ミルモン Miremont 」は、セレブの街らしい上質で上品なお菓子の並ぶ老舗ケーキ店です。

 

 

 

ガトーバスク(上)やベレバスク(下)など、この地方ならではのお菓子も美味しい。

2階の「サロン・ド・テ」もゆったりとしていてエレガント。

奥の窓からは雄大な美しい海も望めます。

 

 

 

 

 

 

ビアリッツ チョコレート博物館

14, Avenue Beau RivageBiarritzFrance

 

 

ミルモン

1 Bis, place Clemenceau Biarritz